兀狄山人漂泊録 GotutekiSanzin hyouhakuroku

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究極のシェルターシステム

究極のシェルターシステム

まず、究極のシェルターは、究極の野宿システムではない。
そのこころは、ここで言うシェルターには下界・市街地でのイリーガル(非合法)な野宿での対応は含まれない、と云うことでR

あくまで、人里離れた自然の中での用途に限る。

さらに、『究極の』は万能のではあり得ない。
自然環境はあまりに多様で、時には際限なく過酷でもあるからだ。

だから、正確には、『本州以南の森林限界以下の厳冬期を除く通常気象下の山旅においての』究極のシェルターシステム。

と云う話でR。

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で、選出する条件だが、これは日本での山岳テントのデファクトスタンダード、ツーレイヤーの自立式ドームテントが基準になる。

具体的には、
アライテントのエアライズ1 高さ100×100×205 1360グラム 39000税別
mont-bellのステラリッジ1 105×90×210 1280グラム インナー27500+フライ11500=39000税別

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ちなみに、フライの要らない透湿性のワンレイヤーテントは極端に居住性が悪い。
私の考えではハードな縦走や冬季用であり、それ故に重量よりも耐風性や悪天候下での張り易さ等が求められるので、当然軽量化もある程度犠牲にせざるを得ない。
よって、比較対照にはならない。
具体的に個人的にこのジャンルのベストは
ニッピンのメスナーテントだ。
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『コスト』『重量』『居住性』『環境適応性』『収納性とメンテナンス性』が選定要素になる。

まず、『コスト』。10万以下ならば気にしなくてよい。

これは、常識の範囲ならば度外視してよい。
常識の範囲とは、10万円以下。
テントのロールスロイスヒルバーグのソウロが10万円、ギネスでの最軽量テラノバのキューベンのテントが16万なので、ま、市販品で10万円を超える一人用シェルターシステムは少々非常識だ。
が、しかし、逆に極端に優れていれば、場合によっては15万円くらいまでなら買って買えない金額ではない。
一般的に軽量化は高価格になり、量産されていなければまたまた高価格になるので、量産テント並みの4万円以下は考えにくい。
システム全てで5~10万円ならばコストは気にしなくてもいいと考える。

次に『重量』。720グラムが1つの目安。どんなに優れていても1000グラム以下は絶対条件。

これはかなり重要な問題だ。
ズバリ、ステイク・ロープなど全ての『シェルター機能』込みで720グラム以下。
ただし、システムのおかげで マットやシュラフをダウンサイジング出来るなら、その重量は別に考えて付加してもいいだろう。

理由。
色々問題はあるとは云うものの一応、防風かつ360度プロテクト、バスタブフロアー、防虫、自立式のmont-bellULドームシェルターが、2本のポールも込みで720グラムである以上は、この720グラムより軽く、かつ、別の優位性が無ければダメだろう。

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『居住性』これもまた、重要なファクターだ。
しかも、非常に複雑な相関関係があり、一筋縄ではいかない。

つまり、『重量』そしてまた『環境適応性』とのバーターになる。
例えば、雨に強いバスタブフロアーにすれば重くなる。
フロアレスにするば、雨や虫に弱くなる。

風に強い自立式ドームにすれば狭く、重くなる。
広く解放感のあるタープにすれば、風に弱く、寒くなる。

シェルターに虫用の網を付加すれば当然重くなる。
網だけのネットテントにすれば、タープ併用でも寒くなる。
等々……

『環境適応性』は、最初に書いたように、、『本州以南の森林限界以下の厳冬期を除く山旅においての』と云う条件のなかで『さらに、できる限り雨や風や温度や地面の状態に融通がきく』と云う意味での限定的な条件だ。

また、『収納性とメンテナンス性』も、最重要課題ではない。

この、2点が副次的である、と私が思う、おおきな理由は、慣れと習熟でかなりの程度克服できるからだ。

その点、『居住性』の方は習熟で克復できる点も多々あるとは言え、慣れたり耐えたりは無意識に我慢を強いて知らず知らずにストレスを溜め込み、それが徐々に精神と肉体を蝕んでいくので、健康のためにできる限り 向上させるべきだと思う。

特に、山慣れた、老いた人は、あまり自己の適応能力を過信しない方がいい。肉体は精神よりはやく老いさらばえる。

だから、『重量』と『居住性』の2点が、最大の争点といってよいと思う。
『コスト』『環境適応性』『収納性とメンテナンス性』は、2点とどれだけバーターできるかと云う意味でのみ問題になる。

さて、『重量』はわかりやすいが、『居住性』とは何か?だ。

『解放感』『雨と結露』『風』『寒さと暑さ』『虫』
この5点が、一言で言うと『居住性』になり、個々に
『重量』やら他の副次的な要素と絡み合いものごとをややこしくする。

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メンタルと肉体と習熟度が違う以上、選定はかなり主観的にならざるを得ない。

だから、ザックリ主観的に結論を言うと。

究極のシェルターシステムとは、
『ツーレイヤーテントのフライを無くして、インナーテントに、大きめのタープを張る』
だ。
理由は、考えればわかるはずだ。

しかしながら、これは重量オーバーしてしまう。
27500円のmont-bellストラリッジテントのインナーが900グラム
タープ用のステイクとロープ100グラム 3000円程度
270×260のフリーライトのスイングタープで310グラム 18000円
タープ用ポールは計算外。

合計 1310グラム 48500円

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ここからが、思案のしどころになる。

重量の問題は、自立の為のポールであるとはすぐに気がつくので、メッシュテントやツェルトのような非自立型のインナーがあればよい。
要するに、タープと、通気性のあるインナーの非自立型の擬似2レイヤー だと云うことは想像つくと思う。

インナーにある程度撥水性があれば150×260のシングルサイズのタープ170グラムと、ステイク・ロープで最低270グラム。

インナーに撥水性もまるでなければ上記の410グラム。

問題は、ノンメッシュのインナーだが、……
これが 無い。
メッシュテントはたくさんあるのだが、ノンメッシュのインナーテントと云うのは無いのだ。

辛うじてひとつだけ見つけた。
http://www.uside.net/luxe/shelter/ultralight/sil_hexpeak_f6/winter_e/#inner

この、モノポールテントの別売インナーだけが見つけられた。
安いのだが、700グラムもある。

ちいさなタープとステイクロープあわせて970グラム。
辛うじて、限界の条件内には収まるのだが、このスペックで970グラムは重すぎる。

これ以外に、例えば、
アライテントの撥水テント330グラム
と、小さなタープのシステムなら600グラムと、軽いのだが、
雨風、虫を考えると、スイングタープ310グラム、ステイクロープ100 シートゥサミットのナノバクネット80 mont-bellシュラフカバー180で、合計900グラム 

どうも、帯に短し……だ。

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さて、結論。
……は無いのだが、

今のところの暫定案は
ジューザ の L&Eシェルター340グラム と 小さいタープセット270グラム 計610グラム

が 一番バランスがとれていそうではある。
が、結露と、夏場の暑さが、どの程度のものか?
で、ある。

L&E シェルターは24000円と安いので、人柱になろうかとも思っている……が、その前にもう少し考えたい。

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