兀狄山人漂泊録 GotutekiSanzin hyouhakuroku

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minimal wild の濫觴 //負荷のルール 【UL試論】

minimal wild の濫觴 //負荷のルール 【UL試論】

サバイバル登山の服部さんの説は正しい。
ワタクシ流に解釈して言い換えると
「遊びの要諦は、目的に負荷を加えることである。」

遊び、という意味は、スポーツやビジネスと違い、目的達成だけに意味を求めない、と云うことだ。

負荷の形と、大きさが、行為者のスタンスを決める。
大袈裟に言えば、「レーゾンデートル

目的のみにこだわるのは最早遊びではない。
何なのだろう??

さて、山道具、バックパッキング道具の話だ。

原則1;必要だと思ったものは持っていくこと
原則2;あらゆる用具の重さをギリギリまで削り落とすこと

が、古典的な原則だそうだ。
これに、加えて、レイ・ジャーディンと云う天才が新しい提案をして、ウルトラライトと云う方法論を広めた。

レイの命題; 過剰な道具は必ずしもハイキングキャンピングの楽しさや安全の本質ではない。

ウルトラライトの付則3;持って行った方が便利かもしれないというものは置いていく

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残念ながら
レイの根本の精神は我が国では曲解され、我が国のウルトラライトは別の方向に進んできている。

この事自体の批判は今は置く。

本来のレイの精神は素晴らしいが、別にウルトラライト原理主義になる必要もない。

自らの目的を考えて、必要ならばウルトラライトの方法論を採ればよい。

小生は、「軽さは正義」とも「速さは美徳」とも思わない。

さて、ここで、ウルトラライトとは全く異質な、しかしながらレイに通じる天才が我が国に現れた。

サバイバル登山の服部さんだ。

残念ながら、ウルトラライトの方法論の様に、彼の方法論は一般化されることは無いだろう。

散弾銃を担いで獣を撃ち、食糧を自給しながらバリエーションルートを歩く。……こんなことは出来ない。

しかし、思想の根底は、今この時代に山を歩くものとして傾聴しない訳にはいかない。
本が見つからないから、うろ覚えで、やや違うかもしれないが……失礼します。

服部の命題1;登山の意義は負荷にある。
服部の命題2;ファアネスの命題。自己が定めたファアネスを破ってまで目的に執着することに意味は無い。

命題1の系;ナイフを使わない登山はただの観光である。

服部ルール;倫理フェアネスとしての負荷
自分で製作できると思われる物の延長線上に無いものは、使わない。➡時計、ライト等電気製品

ラディカル。
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さて、小生の話だが。
レイや服部とは比較にらない脆弱な、無力な人間の目的だ。
ま、身の程の大きさの穴しか掘れないと云うから、自分らしいと云えば、らしい。

命題;思想の実践としての負荷
可能な限り高度資本主義(コマーシャリズム)から離れること。

荷の重さは欲望の重さ。過度の軽量化も欲望の深さ。
本当に必用なものが判れば、欲望の火も弱まる。
他者達を黙らせろ。

高度資本主義とは、欲望のフロンティアの際限の無い開拓であり、個に於いては欲望の際限の無い喚起と増殖である。
欲しい物が欲しいのよ。
飲めども渇きの止むことの無い、渇愛タンハの地獄である。

欲望は常に他者の欲望であり、象徴界のコントロール下にある。

よって、小生が目指す 山遊び とは、野生の中で言語・象徴界を一瞬でも離れ「失われた連続性の回復」を目指す。
こととなる。……ちょっと、カッコ良すぎるな……

不便を楽しみ、不足を悦び、孤独を厭わず、もって命を知る。心は死灰の如く、身は枯木の如し。ってな感じかな?

閑話休題。。。

ルールの案;山人命題から帰結しうるルール

少ない道具(minimal ) で、野生と一体化する(wild)。
ことを、目指すのだが、まだルールと云うほどこなれていない。
思い付くまま挙げてみる。

・軽量化よりも、道具の数を減らす。

・他人の助力を求めない。金で安楽を買わない。

・日常食べない食品(アルファ米とか)は食べない。

・自然から手に入るものは、(可能な限り)利用させてもらう。

・迷ったら、シンプルな方を選ぶ。

・それが入手できなくなると、それ以前に戻れなくなるようなアイテムの導入は極力避ける。

・常識的に可能な製作、メンテナンス、修繕は自分で行う。

・できる範囲で、『服部ルール』に従う。

・(メンテナンス修繕しながら長期間使うものは別として、……ナイフ等)入手することが困難のもの、(日常生活から乖離して)高価なものは(可能な限り)使わない。
➡UL製品を買い漁った反省。

うーん、、こなれてないのみならず、洗練もされてないし、冗長でもある。

取り敢えず、ここまで、
続く

兀狄山人記