兀狄山人漂泊録 GotutekiSanzin hyouhakuroku

世を捨て 人生から降り 晴歩雨読 無為徒食 兀兀騰騰 逍遙漂泊 備忘録

長い旅の分類と 定住漂泊のイメージ

長い旅の分類と 定住漂泊のイメージ

放浪者 
定住地を持つことが出来ない人

職業的旅人
生涯の相当の期間、定住地を持たずに、多分なんらか働きながら、旅をする人

季節労働者的旅人
同じく長い期間、定住地を持たず、冬働いて、春から秋に旅をする人

記念碑的旅人
一生に一度、或いは数度、主にはごく若い頃、時折定年を機に、主に貯蓄で、時折補助的に働いて、数ヵ月から数年の長い旅をして、それ以外の人生は普通に暮らす人

…………
漂泊者 
目的もなく、意志もうすく、欲望も弱く、流れにまかせ、ただこの世を漂う人。

定住漂泊・者
基本的には労働せずに、定住地を持ち、他人の宿や飯をあてにせず、数日から数週間、時に数ヵ月の野宿自炊のミニマルな旅と、無為怠惰な定住を気ままに繰り返して死を待つ人

……

例えば、山頭火は……漂泊と云うより職業的托鉢だが……
往路または復路を電車を使い、自宅から四方に托鉢をしながら数日の旅を繰り返している。
定住漂泊のイメージは、これから得た。

彼の生活から、金を稼ぐ為の苦痛を除いたもの。
作りたいものを作り、歩きたいところを歩き、休みたいときに寝て暮らす場所はある。
とは言っても、都会のインフラを湯水のように使う、流行りのミニマリストとは違う。
彼らは高度資本主義・者の亜流にすぎない。
固定費を最小限にする、最低限のインフラにしか頼らない、時代遅れの手間のかかる暮らし。
隠遁には違いないがが、今時隠れるきれる場所は見つからない。自給自足もままならない。
漂泊にて、目をくらます。退屈をしのぐ。健康を保つ。

世間並の幸福安楽贅沢は無く、友も家庭も無く孤独な暮らし。

旅と云うことが、何らかのアイデンティティーやコミュニケーション、ましてやビジネスの手段になってはいけない。
他人の善意や施しをあてにしてはいけない。
精神は卑しくてはいけない。
生活は質素でなければいけない。
他人の理解を求めてはならない。
……希望は、世間との関わりを最小限にしたい……
要するに、世捨て人の一種。