兀狄山人漂泊録 GotutekiSanzin hyouhakuroku

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20180126 誘蛾灯 高尾山に思う【低山】

誘蛾灯 高尾山に思う20180126
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誰が書いたか忘れたが、百名山の山々は人々の足をそこに集めることによって、自らが犠牲になって多くの素晴らしい山を救っている…云々。

正確に比喩は対照していないが、何やら誘蛾灯を思わせる。
蛾の群れ集まる青白い灯を小生は美しいとは思わないが、蛾たちは惹かれるのだろう。
もしかしたら、蛾たちと同じ感性の人々もいるのかもしれない。
いや、確実にいる。
行列を好む人々。

東京近郊の低山で、ずばぬけた集客力を持つ山は、高尾山であることは異論が無いだろう。

去る、2018年1月26日、ふと機会を得て高尾山につきあった。
JR高尾駅から蛇滝、水道の有る展望広場から凍結した歩道を山頂まで、そして稲荷山尾根を下山しJR高尾駅まで。
快晴だったが足元は悪く、アイゼンを持たぬ観光客はつるつる滑って難儀をしていた。
最近の登山者はほとんど皆、行儀良くアイゼンを装着していた。
偉い。昔よりずっときちんとしている。
かく言う小生は、非防水のローカットでノーアイゼン。ヒヤヒヤしながら歩き、二度尻餅をついた。
全く、初心を忘れて甚だしい。なっていない。

それにしても、相変わらずの人だ。
勿論、高尾山は良い山である。
に、しても近隣の山々との人出の差はなんとも、である。

飯綱権現の霊力をもって魔を集め近郊の山々の静寂を守っているのかもしれない。
そう言えば、戸隠山高妻山に比べて飯綱山は妙に閑散としていた。

誘蛾灯 のような存在は現代には無くてはならないのかもしれない。
独り山のことには非ず。デアル。