シェルターの2レイヤー化 UL試論論【20161105アーカイブ】【UL】【山道具】
⭕写真 追加
超軽量(180グラム)だが、居住性が最悪(中で回転できない)で、結露・雨漏りの実害(体が壁面に接触して濡れる)が大きすぎてもて余していた、ヘリテイジ・ソロシェルター。
これを2レイヤー化して、インナーシェルター化すれば広い前室ができて居住性は著しく向上する。あわせて結露・雨漏り、防寒対策にもなるのではないか?
(この方法は本来は非防水ツェルトで効果的だとは思うが、防水性の弱いシェルターや、一人用ツェルトにも応用できると考えた。)
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シートゥサミット・タープポンチョ(145×265)縦
同じく横
フリーライト・スイングタープ(260×270)
3パターン試した。
タープポンチョはカタログ値230グラムだが実測は195グラム。ソロシェルターは下の割れ目をテープで二重に塞いで180グラムが実測193グラム。
合わせて『390グラム』はかなり良い数字だと思う。
(スイングタープなら合計、500グラム。だが、やはり大きいだけに取り回しは軽快とは言えない。)
とりあえず、(毎度バカの一つ覚えみたいに大塚山で)張ってみた。
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思い付きの筋道。……
我が国においては、『2レイヤー自立式(ドーム型)』テントがベストである。
これを前提で話を進める。2レイヤーと自立式、だ。
基本的には、ウルトラライト系シェルターは、この2点とバーターで軽量化を求めてきた。
方法論的には、タープ派とツェルト派が両極端で 中間にフロアレスシェルター派がいる構図と言っても良いかもしれない。
あくまで、方法論的には、で、別に対立しているわけではない。
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一方、『2レイヤー』だけを捨て、『自立式』だけをとったものに、
mont-bellULドームシェルターやアライテントライズ1がある。
ULドーム720グラムで言うならば、「480グラムのメリットをとって、結露漏水すきま風……を犠牲にした。」と言える。
逆に、『2レイヤー』だけをとったシェルターシステムは知らない。
今回はこの、疑似『2レイヤー、非自立』の思い付きでR。
2レイヤーとは、「外側に防水の膜と、内側に通気性の膜をわずかな間隔で設置」して居住空間を確保するシステムと言って良いかと思う。
早い話が、「地面ベタ付け(に近い)タープと、通気性のあるインナーシェルター」
で、2レイヤーは実現できるような気がした。
タープをA型テントみたいに張って、中に通気性のインナーテント、具体的には非防水のツェルト、例えばアライテントの撥水ツェルトやmont-bellのULツェルト、を張れば良い。
(アメリカ完全追従のUL界は、タープやフロアレスシェルターとネットテントの組合せばかりだが、我が国で「重いネットテントをわざわざ使わなくてはならないシチュエーションは少ない」……ような気がする。)
むしろ、「非防水、通気性のインナーテント」こそ必要なのだ……が、ほとんど無い。
アライテントの撥水ツェルトも、厳冬期の単独使用が前提だと思う。
(mont-bellのULツェルトは、どんなシチュエーションを想定しているのか?疑問だ。)
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で、2レイヤー化だ。
基本的はタープやフロアレスシェルターの下に通気性のインナーテントを吊るす。
と云うアイデアなのだが、
1. まず、ポールを単独でロープをY型に張って立てる。
2. ロープにスライダー結びを2つつくり、ソロシェルターを吊るす。
スライダーとシェルターの間の長さは調整できるようにしておく。
3. タープをロープに掛けてから固定する。
タープは固定されているが、下のソロシェルターは前後に動かせる。
出来上がりは何の事はない、ツェルトとフライの組合せと違いない。
違いは、フライ(タープ)とインナーの相対的な比率、と設営方法による非接触間隔の確保。かな……?
……ソロシェルター(インナー側のシェルター)とタープが接触せず間隔を保つことと、インナーが前後にスライドする点が多少利点である。
タープが、スイングタープ(奥行270センチ)の場合は、スライドする必要がないのでタープに直接吊るしてもいいかもしれない。(スイングタープは内側にもループがある。)
タープの奥行きがインナー以下かあまら変わらない場合、インナーを前後にスライドすることにより、
『レイヤーが解消され前室が大きく生活空間が確保できる。←→2レイヤー化して就寝時には防風防水防寒に益する。』
はずなのだが……実際、実戦で雨のなか過ごしてみないとわからないが……。
いろいろ調整しなが試したのでもたもたしたが、慣れればツェルト設営なみの時間で設営出来ると思う。……が、ツェルト設営自体がタープに比べるとかなりめんどくさいので個人的には好きではない。
あと、今回はスライダー結びの紐に直接インナーを結んだが、フックとゴムをどちらかにつけておけば、寝る時以外は簡単にインナーを敷物にしてしまえて、単純型タープの解放感を楽しめる。
逆に、インナーを吊るして体を入れてしまえば、ビビィ&タープの短所である「寝るまでは寒い」から多少は逃れられる。
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一昨日昼過ぎに起きて実験しようと、高尾駅から裏高尾にノコノコ出掛けたが暗くなってしまったので夜道をして相模湖駅まで降りてきた。
で、昨日古里駅からフラフラ大塚山で実験して、帰りは大楢峠から奥多摩霊園に降りてきて初めてデカイトンネルを歩いてみたらなんと白丸はもとより、鳩ノ巣より向こうに出てしまった……ので、またノコノコセブンイレブンのある古里まで歩いて菊水を飲みながら帰途についた。
我ながらご苦労なことだ。
兀狄gotuteki 山人記。
写真追加 奥多摩にて