兀狄山人漂泊録 GotutekiSanzin hyouhakuroku

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ヘネシーハンモックテントの評価【20161005?アーカイブ008】【UL 】【山道具】

ヘネシーハンモックテントの評価【20161005?アーカイブ008】【UL 】【山道具】

(写真。スイングタープとのコンビネーション。石尾根某所2016)

昼寝と言えばヘネシーである。
UL的観点からの機能評価を。勘違いもあるかもしれない。

■総括
・ハンモックは持っていて損はない。
しかし、現時点でヘネシーがベストかは使い方による。
あくまでも、タープ泊に慣れた人のオプションとして考えるべきものだろう。

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■対象は二種。その重量など

多種あるが、通常山歩きで使われるのは二種だろう。
ウルトライト(小生のもの)
907 グラム ハンモック本体70Dデニール フライ30D

ハイパーライト
793グラム ハンモック30D フライ20D

好みだが、ハイパーの方は30Dで生地の上から虫に刺される可能性が高い。(ジャングル用はボトム二重)

適当な木が無いときに地面に直接敷いて使う際30Dはやや心配。
シックスムーンのポトムも30Dだからダメと言うわけではないが不安。

・尚、付属の木に巻くベルトは短い。かかえれる程度の木でないと難しい……とはいえ、だましだまし使える。

・114グラムの差なら、ウルトライトでいいのでは?
フライは、別のものを使うなら重量差はさらにちぢまる。
流通量なのか、実売価格差は定価よりあるので、ウルトライトの方が買い得感はある。

ウルトライトの本体は、約700グラム。
これになんらかのタープを組み合わせて使用することとなる。

ヘネシーのフライについて
形はひし形に近い平行四辺形で、リッジラインは対角線。対角線で縫製して、なんとシームテープが貼ってある。丁寧。
これをビビィと組み合わせて使うのも面白い。
小生は、ハンモックよりヘリウムビビィと組み合わせることが多い。
ヘリウムは足は濡れてもかまわないから、対角線でポールを一本たてるのも広くて有効。(いずれ詳述?)

・タープと違ってテンションかける必要が少ないので、もっとやわな軽いものもでもかまわない。例えば、サバイバルブランケット。
・ステイクもいい加減でいいから、わざわざ持っていかなくてもその辺の石か枝でいい。
ストックに結んで転がしといてもいい。

・また、雨はほぼ防げるが雨天の作業にはややちいさいし、風がしたから回り込むのを防げないので、小生はスイングタープ(260センチ×270)をフライに使っている。
スイングタープをチューブ状に下に巻き込む(軽くループをまとめて石で固定する)とかなり暖かくなる……気がする。バタバタうるさいが……
冬季雪の⭕取山頂マイナス10ん℃でもこれでいけた。
ただし、総重量1100グラム。普通にワンレイヤーテントと同じ。

・タープを広く張りハンモックをソファーベッドにすれば、雨のなかの食事も優雅。

■ハンモック泊の利点
・まず、寝心地。ソファーとして快適。地上のコンディションの悪い場所でも設営可能。は、当然。

・『設営、撤収の早さ』。
設営はタープより早く、撤収は同じくらい。ただし、適当な間隔と太さの二本の木が見つかれば……の話だ。これがなかなか難しい。 

・ボトムが汚れないことも嬉しい。スネークスキンを使わなくても、片側外したら首に巻いて撤収すればよい。

■製品の選択
・ハンモックには、安価な網のものと、布のものがある。
最近、布のものにも超軽量なものがでている。
ハミングバードなど210グラムと記憶している。
網製のコフランの250グラムより軽い。
価格は10倍だが……。
ただ寝るだけなら、軽くて安すければいいと思う。
コフランなら2000円以下。1000以下の商品もある。

アマゾンなどでは中華製で安くそこそこ軽いパラシュートクロスのものもでている。
ここらあたりなら、試してみる価値はあるのではないか?

ただ、シェルターとして使うならどうだろう?
少なくとも、ハンモック泊は、普通のタープ泊より敷居は高い。

ヘネシーのコピーもかなり安く見かける。 
が、こちらは怖くて試せない。
バグネットや布地の目が荒くて、虫に刺されるならば何の価値もないからだ。
昼間は特に虫は多くうるさい。 
 
→◎ハンモックの敵は虫だ。(あと、ひと目)

薄く軽く安いものも、ビビィやバグネットと併用すれば活用できるかもしれない。
そのうち試してみたい。
→コフラン、エスケープビビィ、シートゥサミット顔用バグネットで、約540グラム……ビミョー

ヘネシーの優位性
ヘネシー特有の優位性は、
・なにより、一本のロープにハンモックがぶら下がり、バグネットが覆うかのようなデザイン。(ぶらさがってはいない)
ハンモック以外にロープを張らずに、バグネットの上からフライ=タープをかぶせれば良い。
このデザインは、両脇のバンジーゴムとともにハンモック自体のローリングも抑えている。と思う。

・が、このロープはハンモックを地上に設置する場合は邪魔者になる。
その点は、他のメーカー(イーノ?)の様に、別のロープからバグネットを吊る方が良いのかもしれない。このあたりは未使用だからわからない。

・その他には、『ボトムの丈夫さと広さ』、『フライとのコンビネーション』、そして忘れてはならないのが『豊富で考えられたループやフック類』

※そして……ステルス性なのだが、これには触れない。

ヘネシーの欠点
これは、重いことにつきる。
UL的にはハンモックはNGではないか?……。

・ゲートウッドケイプとビニールのグランドシート、シートゥサミット全身バグネットで460グラム。

5×8タープとエスケープビビィと顔用バグネットで490グラム。
900グラムの半分だ。

mont-bellULシェルターとフライで1000グラムほどで、ほぼ同じだが、こちらの方が圧倒的に汎用性は高い。
……ULシェルターは雨漏り、結露がひどい(ツェルト並)からフライかシュラフカバーがないとかなり不快。しかし、何と言っても自立だからねー。

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マットも構造的には不要だが、寒いから削れないので軽量化にはならない。半身用で十分。
が、クッション性は不要だから安い銀マットで良い。
腕の外側が冷たいから、65センチ幅くらい欲しい。
オートキャンプ用の安い銀マットを65×100くらいに切れば理想的。
勿論、本家のオプションがベスト、だが重い。
エバニューULマットみたいな腰の無いマットは折れて巻き込み非常に使いにくい。軽さとのバーターだ。

小生は、冬はリッジレスト、春~秋はULマット。
オゾンはパンクが怖いから使わない。

・下に荷物を置くのにシートも欲しい。

→で、全く軽量化にはならない。

・また、ハミングバードのロープの調節機能はすんばらしい。ヘネシーはテンションを変えるときは一苦労だ。
うらやましい。

■総括(冒頭の続き)

・やはり、ハンモックをメインで使う場は限られている。
メインのシェルターがあって、余裕分の重量でハンモックを持つのが理想的だ。
シェルターか、ハンモックか?ではなく、
椅子か、ハンモックか?
だろう。それならヘネシーは重すぎる。

・小生は、既知の場所で、ハンモックで寝ることを想定して泊まりに行く。(だから奥多摩ばっかり)
わざわざ、ハンモックのために登るのだ。
その価値はある。ハンモックとネイチャーストーブは面白い。

冬なら10時間くらいシュラフですごすこともある。
ハンモックなら楽しく過ごせる。

・理想は、「地表で寝れない場所でも、地表でも設営できる万能シェルター」だろうが、そうはいかない。 
杖をたててまで地表に設置する気にもならない。

・その点、flyingテント は面白そうだ。1200グラム……やはり山岳では、メインにはなり得ない。

・今のところ、小生の実力では、「いろもの」「飛び道具」の域を越えていない。

勿論、あくまでも登山で、である。
下界の森や浜辺なら自ずと評価は別。

・UL化して良かったことの1つには、こう言う遊び道具を持つ余裕ができたことだ。

■寒さ対策
は、またいつか。??