兀狄山人漂泊録 GotutekiSanzin hyouhakuroku

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普通、が、異形 【20160227?アーカイブ】【山道具】【UL 】

普通、が、異形 【20160227?アーカイブ】【山道具】【UL 】

ミニマムワイルド。
そのアーキタイフのイマージュは…… 現代のマタギの姿。
そこらへんで手に入るザック、長靴、アノラック、農業用ビニール、ヒモ、軍手、マッチ、水筒、おにぎり……ナイフと銃。

何でもない、しかし選び抜かれた品々が完璧な仕事をこなす。

この姿……何でもない、安っぽい、とるに足らない……このアイテムが専門店で大枚はたいて買った考え抜かれた山道具よりパフォーマンスを発揮する。

この装備で、例えば北アルプスを歩けば、異形のソシリは免れまい。

普通でなあり得ない場所で普通であること。
それは、異形である。
状況しだいでは、茶人もカブキものであるのは、当然の事。

人智を尽くして自然に帰る。
日本的芸術のメインテーゼである。

何の話か?

ウルトラライト、である。

スルーハイクをルーツに持つウルトラライトは、我が国では、堕ち、或いは曲解され非力・無力の助けか、スポーツ化か、ファッションに成り果てている。

トレラン以外のウルトラライトファッション。それは、まだまだこの国では異形である。自尊心は満足する。

が、トレランの様に明らかな目標設定(時間、勝利)が出来ない、論理的ゴールが無い 装備はひ弱な仇花でしかない。

そして、当然、資本主義の行動様式の典型である、ビジネス・スポーツの一容態であるトレランは思想的に醜い、とワタシは考え、生理的な嫌悪感を禁じ得ない。

返す刀で、ファッション的ウルトラライトも、非難を免れない。

金にあかした、他人の細工物でいくら自然に帰ってもまともな頭で省みれば「若旦那の苦労話」の謗りは免れまい……

とはいえ、完全に自作、無補給……といったところで高度資本主義の手の内の孫悟空には違いない。

要は、どこに線を引くか。…でしかない。

服部の、線と、小生の線は似てもいるし、非でもあろう。

他は良い。