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アルコールストーブのメリット。【20161007?アーカイブ008】【UL 】

アルコールストーブのメリット。【20161007?アーカイブ008】【UL 】

(写真上から、CB缶横置きアダプター,チタン中華ガスヘッド,詰め替え機具,毛細管式ストーブ,一番使ったサイドバナー,トランギア,五徳とカーボンフェルトストーブ)

結論。
アルコールストーブに現実的メリットはほとんど無い。
UL的気分と火遊びの雰囲気と自作の楽しみが存在理由。

『100ミリリットル以上アルコール燃料をしようするならガスストーブの方が良い。』
『100ミリリットル以下でもエスビットの方がはるかに軽い。エスビットが手に入らないか、高価すぎ買えない場合のみアルコールが選択肢になる。』
『日本では、長期間の旅になればなるほど入手しにくく持ち運びにくいアルコールスにメリットはない。』
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以下各論詳述。

第一に、熱量である。

『アルコールのエネルギーはガスの半分しかない』

まず、これを覚えておくべきだろう。
燃料アルコールにも配合はいろいろあるし、OD缶はほとんどブタンだが、だいたい半分で間違いはない。
(メチル70/他30)燃料アルコール24.7KJ/g
プロパンガス50.4KJ
(参考)ガソリン47KJ
……すべて、他のサイトからの孫引きにて……

⭕ガスカートリッジとガスヘッドの最軽量の組み合わせに相当するアルコール燃料の量を考える。

小さいガスカートリッジを
ガス110グラム、カートリッジ全体213グラム(空のカートリッジ103グラム)、とする。

『ガスストーブは重くない。』

小生の愛用ガスヘッドは、中華チタン25グラム!!だ。
しかも五徳は不要。風防も必須ではない。
合計238グラム(うちカートリッジ含む装置128)。

アルコールストーブはいろいろあるが、世界最軽量に近い
T'sストーブのnewサイドBコンボ(五徳、風防、容器セット)から小さすぎる容器ppボトルを外して45.4グラム、代わりに280ミリペットを容器に使うとして25グラム、計70.4グラム。……が、アルコールストーブ装置。

ガス110グラム入りガスストーブセット238グラムとの差、168グラム。
これが、最軽量ガスストーブセットと同一重量のアルコールストーブセットに含まれるアダプター燃料の量だ。

(尚、比重は水の約9割だから容器は200ミリ程度あればよい。)
これは、ガスの84グラム分しか熱量はない。
110対84
つまり、アルコールの負け。
つまり、ガスカートリッジをフルに使うくらい火を使うなら、アルコールストーブの方がずっと重い。

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⭕では、どのあたりがアルコールの方が軽い分岐点なのか?

カートリッジ含むガス装置すべて128グラム
容器含むアルコールストーブ装置すべて70グラム

この装置の差58グラムを燃料の重量差が吸収できる点。
つまり、倍の116グラム。
116グラムのアルコールは、58グラムのガスと同じ熱量。

アルコール116+装置70=ガス58+装置128

◎結論。『116グラム以下のアルコール燃料使用量でなくてはアルコールストーブにする重量的な意味はない。』

勿論、各ストーブ装置の重さで変わるわけだが、ほぼ100グラムが閾値なのは確かなようだ。

だから、アルコールストーブメーカーの付属容器は小さい。

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⭕価格差。→ガスは詰め替えよ!

ガスカートリッジに純正品を使うとはなしにならない。

だいたい、中途半端な缶が余って仕方ない。
安価で常に満タンちかいカートリッジを持てる。
カセットガスを詰め替えて使う……のが、当たり前だと思うんだけど、まだまだ世の中そうでないらしいが……

カセットガス250グラム100円
アルコールだいたい500ミリリットル、450グラム(熱量はガス225グラム)250円
だいたい2.5倍である。

小生の変換装置はジャスト50グラム。Amazonにて。

※但し、義務教育なみの最低限の物理的化学的知識のない方は危険だから詰め替えはやめておいた方が無難だ。
ストーブの自作自体やめた方がいい。

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⭕補給。

しかも、長期になるとますますアルコールに良いところはなくなる。
長期なら、山ガスヘッドを変換してカセットガスカートリッジでつかうのもいい。
怪しくて抵抗があるなら、OD 缶を購入するつなぎにエスビットを持つとか……。

アルコールは補給場所が少ない。
薬局で500ミリでしか買えないしかない。重い。

ガスなら、カセットガス変換ツールが100グラム以下である。
小生愛用のカセットガス横置き変換ツールは70グラム。
ヘッドとあわせて95グラム。

カセットガスならかなり山奥の田舎町でもある。
OD 缶も山小屋で売ってることもある。 

アルコールはほぼ薬局しかない。しかも500……
日本のロングトレールではNGだろう。

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なら、100グラム以下ならアルコールなのか?

残念です。
エスビットがあります。

エスビットの熱量はよくわからないが、体感でアルコールの2倍くらいではないか?

エスビット4個、16グラムくらいで1合半の飯がたける。
アルコールストーブだと、40~50ミリくらいか。

ただし、エスビットはバカ高い。最近また値上げした。
価格差を考慮しなければ、エスビット一箱と自作の針金や空き缶か、高いチタンか、好みのエスビットストーブと風防をもてばアルコールストーブの出番はない。

貧乏な人には、ダイソー固形燃料がある。
これは、ほぼ液体アルコールなみ熱量。
山では、1個で飯一合にはちと足りない……エスビットの欠片とかゲル燃料とか足して、各自工夫が必要。

その他、計画がたてやすいだの、色んな贔屓の引き倒し的な説明もあるが、正直アルコールストーブにたいしたメリットはない。
強いてあげれば、ストーブ自体が壊れても、すぐに自作できる、くらいかなぁ~。

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では、何故に、かくまでアルコールストーブが流行るのか?
ひとつは、ULッポイから。すなわちファッション。
いまひとつは、すこーし火遊びの感があるから。

ガスにロマンはない。
あ、ガソリンストーブにも火遊び・ロマンがあるような…使ったこと無いからわからないが…

火遊びならネイチャーストーブが100万倍面白い。断言!

が、が、にもかかわらず、はまってしまうのが自作の醍醐味。

ツーか、
◎『自作しなければアルコールストーブの意味はないのでは、無いのでは、ないないか?』

小生もウルトラライトはじめてから去年まで数年はアルコールストーブ教だった。
農鳥小屋で(知ってる人は知っている厳しい)おじさんから特別許可をもらって土間で飯も炊いた。(このときは接待登山、普通は小屋には泊まりません。)
谷川岳ではサイドバナーからラーメンをひっくりかえした。その他失敗数知れず。

家で作っては湯をわかし、作っては飯を炊き……台所は空き缶だらけ……自動炊飯システムまで確立した。

だって、オモシロインダモン。

そもそも、山は遊びなのだから。
面白ければいいのだ。
主観的な楽しみはすべてに優先する。

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現在の小生は、と言えば。結局30年来のガスに戻った。
そもそもULも、あの食べ物の無神経さだけはついていけない。

少し自炊のときは、自作アルコールストーブ、五徳、風防セットと100ミリ容器(ダイソー)

夏はなるべく火を使わない。お茶とラーメンくらいはエスビットで。特にアルプス夏山縦走はエスビット。自作エスビットストーブセット。

秋から春まではガス。中華BRS小さい25グラム、バカに安くて軽いです。風防は空き缶から自作。ユーチューブの真似。
あっ!ガスでも風防あると燃費違います!

真面目に料理するときは、レギュレーターつきのSOTO カセットガスストーブ。バカに重い。

もちろん、エンバリット(チタン170グラム)などネイチャーストーブは可能な限りいつだって持っていきますよ。
楽しいもん。

格言「アルストのインスタントコーヒーは、ガスストーブのドリップに勝る。」(……なわけないか……)

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